余白を楽しむ
日々、ポストを開けるとたくさんのチラシが入っています。
マンション購入、宅配寿司、化粧品の新商品、資格のススメ、
これでもか!というくらい、毎日毎日送られてきます。
そのほとんどは、残念ながら僕をスルーしていきます。
英語で言うところの、「SEE」の状態で、「WATCH」までは
なかなか到達しません。
僕という濾過装置を抗うことなくすり抜け、廃品回収のおじさんの
もとへ落ち着きます。
そして一部はパルプとなり、一部は灰となって、行く当てのない長い長い
旅を続けるのです。
しかし、ごくまれに、僕の目に留まるものがあります。
決してマンションが欲しいわけでも、宅配寿司が食べたいわけでも
ないのですが、どうしても注目してしまうチラシなのです。
それは、デザインが優れているものです。
シンプルなんだけど、スッと気持ちの良い脳波を生じてくれる、
胸の透くような意匠のものは、しばらく僕の手中に止まります。
それらに共通するのは、とても美しい「余白」を持っていることです。
その分、主張したいことが明確で、得てして文章も整っています。
余裕を感じます。
どうやら、余白は、作者の心の余裕を表しているのでしょうか。
だからきっと、そこに載っている商品も、心豊かな粋さが感じられるのです。
そんなチラシは、僕のジュエリーボックスに格納されていきます。
本当に、ごくごく、まれなことです。
1年に1回あるかどうかです。
今日はそんなチラシが入っていないかな、と、これからポストを見に行きます。
そう思うときは、僕の心にも余裕がある証拠です。
余白を楽しむ大人になれたら、ちょっと素敵ですね。
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